2013年12月25日水曜日

ちょっと

会話でよく使う言葉に『ちょっと』というのがあります。

 「ちょっと待ってて。」

 「ちょっとお時間いいですか?」

何気なく使っている言葉ですが、これが実はくせものです。

 「ちょっと待ってて」と言われたとき、どれくらいの時間をイメージするでしょうか?

『ちょっと』と言っても具体的な数字を示すのかは辞書にも出ていません。1分の人もいれば10分の人もいると思います。その感覚は人それぞれです。

ではもし、10分をイメージしている人が1分をイメージしている人に「ちょっと待ってて」と言って10分待たせたとしたら、どんなことが起こるでしょう。
待たされたほうはイライラを通り越してかなり怒ることでしょう。もしかすると待ちきれずにその場からいなくなっているかもしれません。

些細な言葉ひとつで簡単に二人の間に大きな溝ができたり、険悪な空気ができてしまうこともあります。


わたし達は日常で『ちょっと』に限らず抽象的な言葉を使っています。

 『けっこう』
 『かなり』
 『あんまり』
 『よく』
 『ふつう』…

こんな言葉も人によって度合いのズレが出る言葉です。
決して抽象的な言葉がいけないということではありません。しかし、このような言葉を無意識に使うのではなく、ズレが生じることがあると認識して使うことで無駄な摩擦を起こさずにすむこともあります。


特に子どもとの会話では具体的に表現することをおすすめします。
抽象的な言葉がズレを生じ、時に「お母さん(お父さん)は嘘つきだ!」なんてことになりかねません。

 「5分待ってて」

 「10分お話してもいい?」

ちょっとした心がけでいい関係がつくれますね。(おっと、『ちょっと』を使ってしまいました^^;)

2013年12月4日水曜日

できる

わたし達はよく「できるか、できないか」という判断をし、相手に対してもそのようなアプローチをします。
「できるか、できないか」という言葉は結果を求めています。
ですから結果を得られると思えば『できる』となりますし、結果を得られないと思えば『できない』となります。わたし達の日常では結果を求めるばかりにこの言葉がよく聞こえてきます。

では、お子さんに対してはどうでしょう?
やはり、できる・できないの判断やアプローチをしているのではないでしょうか。

①「よくできたね」
②「これできる?」
③「どうしてできないの?」
④「できて当然でしょ」

色々な場面で『できる』を使っています。

教育コーチングの用語では①をYouのほめ、②を閉じた質問、③を詰問、④を否定と呼び、
①②は効果に微妙な部分があるので使い方に注意し、
③④は使わないようにします。
『できる』は成功する自信があるときや結果を得られたときには非常に大きなパワーを発揮しますが、一方で失敗に対する恐れや自分の能力に対する不安を招く要素を持っています。

不安を感じているときに「できる?」はかえって行動にブレーキをかけることになるだけでなく、
「できる」と言えない子に対して
「意気地がないな」
「そんな弱気でどうする」
などと追い打ちをかけてしまうと、やる気のベクトルはますますマイナスになってしまいます。

そんなときに是非使っていただきたいのは、「やってみる?」です。
『やる』は結果が得られるかを対象にしていません。
子どもが不安そうなときにはプラスして「教えてあげるよ」「ついててあげるよ」「できたらサイコーだね」「失敗しても大丈夫」と添えてあげれば不安は和らぎ、行動につながりやすくなるものです。

「やってみる?」+【支援・応援の言葉】で子ども達の持っているチャレンジ精神を喚起しましょう。

子どもは本来、「育とうとする生き物」ですね。