2014年7月1日火曜日

『~から』ではなく『~ため』

 人間は意味のないことはしません。それは、人間の本能として無駄な事はしたくないからです。
まわりから無駄な行動と見えることでも、本人にとっては何らかの意味をもっているのです。(本人は意識していなくても)

 親として子どもを叱る場合を考えてみましょう。

  ①悪いことをしたから叱る

  ②悪いことを知ってもらうために叱る

 同じ「叱る」という行動ですが、①と②を比べてどんな違いを感じるでしょう。
 実際にどのように叱ったかを書いているわけではありませんが、①は反射的、感情的に強く叱りつけたようなイメージ、②は感情は抑えて子どもをさとすようなイメージには見えませんか。

 こんな場合はどうでしょう?

  ①めんどくさいからやらない

  ②からだを休めるためにやらない

 ①だと結局はあとからやらなくてはならず、自分にとって利益になりそうではありません。②はしっかりとからだを休めて英気を養うという自分にとっての利益が得られそうな感じです。

 実は「~から」で行う行動は、無意識だったり反射的だったり感情的だったり、自分をコントロールできていないものであることが多いのです。
 一方「~ため」で行う行動は、意識をして意図や目的を持ち自分でコントロールできています。


 このように同じようなことをするにしても「から」を「ため」にしてみるだけで、具体的な行動の質に変化を起こす事ができます。みなさんはどちらの行動の方がいいですか。
 全ての行動に「何のため」などとやっていると息が詰まりそうですが、例えば叱るときや注意するときに「何のため」で行動してみましょう。きっと効果的な叱り方や注意のし方ができることでしょう。

 これは、子ども自身の行動に対しても同じようなことが言えます。ダラーっとしている子に「何のためにそうしているの?」と聞くと「何にもしたくないから」と答えたりします。「から」と出てきたら無意識に何となくそうしていると考えられます。

 また、「テストがあるから勉強する」のと、「テストで良い点を取るために勉強する」のでは、勉強のし方も必ず違います。

 自分の行動はもとより、子どものそんなちょっとした言葉に注意して接してみるだけでもおもしろい違いが出てきそうですよ。

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